2017年夏の某日、「ビスケット」と書かれた小分けのパックに丸いのが3枚入ったものをドリンク付きで頂きました。
「丸くて平らで、小さな穴が並んでいて、色が薄めのこれ」は、確かにビスケット。
見慣れた形状です。
いえ、実物を見慣れているわけではないんですけどー、「ビスケットの絵を描け」と言われれば、これになります。
食べたこともあるはずです。
よく覚えてはいないのですが、幼稚園で、とか、友達の家で、とか。
……であればこれは、ひょっとすると、実に数十年ぶりの、ビスケットとの再会。
……が、数十年ぶりともなると、状況は最早「未知との遭遇」。
「『ビスケット』って、何だったっけ……」と暫し見詰めてしまいました。
でも……、何でしたっけ、ビスケットって ??
あ、ひょっとして、ビスケットって、クラッカー ??
それともクッキー ??
ビスケット、それはむか~しからあり、その名前は超・有名。
「私はビスケットが大嫌いです」と声高に主張する人なんて、まず、いません。
が、そう言えば、「私はビスケットが大好きです」という声も、あまり聞いたことがありません。
とってもメジャーなのに、どういうわけか「何だったっけ」「どれだったっけ」となってしまったりもするビスケットの、その存在の軽重は、重いのか軽いのか、どうもよくわかりません。
がっ、ビスケットは、実は大抵の人が、人生において、最低2枚は食べています。
軍人の方も、船員の方も。
マリー・アントワネットもコロンブスも、きっとジョン万次郎さんも。
1900年11月21日、英国留学中の夏目金之助氏は、「ビスケツトヲ カヂツテ 晝飯ノ代リニシタ」。(←「ビスケットをかじって昼飯の代りにした」)
…というわけで、あの夏目漱石氏も。
私が小中学生であった頃、みんなのお菓子の定番は「エージフライ」(←「英字」フライ ? )で、大学生であった頃は、バイト先で頂く3時のおやつの定番が「ギンビスの『アスパラガス』」。
両方とも,助数詞が「枚」とはなりそうもない細かかったり細長かったりするタイプで、「エージフライ」が何であったのか、と問われれば、「エージフライ」は「エージフライ」、「ギンビスの『アスパラガス』」は「ギンビスの『アスパラガス』」。
「エージフライ」の頃は、お店で「エージフライください」。
つまり、そのお店にある「それ」でよくて、「ギンビスの『アスパラガス』」の頃になると、他に似たものがあるわけでもなくて、商品名指定。
よおーく思い出してみると、「エージフライ」の数百グラム入りの大きな透明の袋には「ビスケット」と、ひょっとして……、そう書いてあったような気が……。
え?でも、「エージフライ」って、やっと今気が付きましたが、「フライ」 ?!?
ということは、油で揚げてあったのでしょーか ⁇
オイリーであったという記憶はないのですが、少なくとも私の胃袋には。
因みに、子供時代、私は胃がとても丈夫でした。
で、「ギンビスの『アスパラガス』」のほうは、スーパーで久し振りに手に取ってみましたところ、上から「ギンビス」「アスパラガス」と、並ぶ文字のその続きが「ビスケット」。
で、これも…、今頃やっと気が付いたのですが、そもそも会社名が「ギンビス」です。
『アスパラガス』も「エージフライ」も、両方とも「ビスケット」だったのでした!
お店で「ギンビスの『アスパラガス』」の隣に並んでいた「シスコ(現・日清シスコ)の『ココナッツサブレ』」、こちらもバイト先では人気のおやつでしたが、これは「サブレ」で、「サブレ」とは何か、というと……、
老舗の『鳩サブレー』は「サブレ『ー』」でしたし……、というよりも、おやつは社員会等の会費で買うので、ご進物系の『鳩サブレー』は予算上無理でしたし……、
やはりこの当時、「サブレ」とは即ち『ココナッツサブレ』であったと思います。
で、この『ココナッツサブレ』、私はこの程、確実に「生まれて初めて」、裏面の名称欄を確認。
「ビスケット」。
ネットで再確認してみましたが、「ビスケット」。
「サブレ」までもが「ビスケット」だったのでした!
ビスケットって、何??
いえ、こーなったら、ビスケットではないのって、何?
先月、「おみやげ買っていくよ。何がいい?」という嬉しいご提案に、「じゃあビスケットをー」とリクエストしてみましたところ、私にとっての「ディス イズ ビスケーット」である「小さな穴が開いている丸型の、表面がフラットなもの」、つまり去年久し振りに遭遇したビスケットとよく似たタイプと、これに加えて「穴が開いていない丸型の、表面がちょっと盛り上がっているもの」とを頂きました。
フラットなほうは堅めでさっぱり系、盛り上がっているほうは柔らかめでこってり系。
そう言えば、別の方からですが、「そばぼうろ」を頂いたことがあります、ビスケットということで。
さぁこの中で、ビスケットではないものは、どれでしょー。
そーです、「そばぼうろ」です。「そばボーロ」とも書きます。
「そばぼうろ」は、久し振りに発見した「それっぽいのに、袋のどこにも『ビスケット』という文字がないお菓子」。
原材料が「小麦粉、砂糖、鶏卵、そば粉、膨張剤」で、「油」の表記がありません。
当然カロリーは低めとなり、実は塩分も超・少なく、おまけにたんぱく質もそこそこあり、なんてすばらしいのでしょーーっ!
……と絶賛したいところなのですが、小麦、卵に加えて「そば」まで入っているので、アレルギーのある方は要注意です。
あぁそして……、脂質はとっても少ないものの、砂糖のほうはたっぷりで、糖質がちょっと……多め……。
とか言いながら、最近は時々買っている私です。
ところでこの「そばぼうろ」、なんでビスケットではないのでしょう。
袋の裏の名称欄には「焼菓子」と書いてあります。
ビスケットは「焼菓子」ではないのでしょうか。
ビスケットと言えば、お菓子界におけるユビキタス(←「どこにでもある」)度ナンバーワン!、
と言っても過言ではない程に、「ギンビスの『アスパラガス』」も「日清シスコの『ココナッツサブレ』」も、どうやらあれもこれも「実はビスケット」であるみたいなのに、なぜ「そばぼうろ」には「ビスケット」ではなくて「焼菓子」と書いてあり、ビスケットにはあくまで「ビスケット」と書いてあるのか。
調べてみたところ、「そばぼうろ」は和菓子でした。
「そんなことも知らないなんて、ばかじゃない?」と、自分でもそう思いますが、でも、ぼうろにカステラ、そしてビスケットだって「南蛮」渡来と言えそうなお菓子。
そばぼうろなんて、あのブルターニュ地方の、甘かったり小麦粉入りだったりするものもある「そば粉のガレット」と、材料が結構似ています。
が、ぼうろもカステラも和菓子で、ビスケットのみ、洋菓子でした。
因みに、名称欄には「一般的な名称を記載する」と法律等により定められているそうで、その心は「消費者保護」。
「優良誤認」、つまり実際より良いものと誤解させる表記を禁じています。
ということは、「劣悪(?)誤認」とか「低級誤認」とか、下のほうに向かって誤認させるのは、多分、可。
すると、例えば「B級グルメ菓子」なんて書いたら、これは上向きなのでしょうか、下向きなのでしょうか……。(ないか、そんな一般名称……)
それはともかく、「そばぼうろ」は一般的な名称ではなく、「ビスケット」は一般的な名称である、とされているようです。
但しこれは、「そばぼうろ」と「ビスケット」とを比較しているわけではなくて、例えば「そばぼうろ」であれば、それはきっと「そばぼうろ」と「焼菓子」とではどちらがより一般的な名称であるか、という比較です。
となれば「焼菓子」のほうでしょう。
いっぽう「ビスケット」の名称があくまで「ビスケット」であるのは、公正競争規約というものの存在等、また別の理由があるみたいなのですが、「ビスケット」はやはり知名度が抜群。
もはや「一般名称」です。
でも「焼菓子」だって、なかなかのネーミング。
ちょっと上品なイメージもあったりして……。
「おみやげ買ってきたわ、焼菓子よ」
「おみやげ買ってきたわ、そばぼうろよ」
い、いえっ、テーマは焼菓子ではありません。
「そばぼうろ」! 好きですっ!
そもそも、この「一般的な名称」という用語が一般人にはとてもわかりにくく、ある日「芋けんぴ」を買おうとした私は、その名称が「油菓子」となっていたので、たちまち「買う気」喪失。
ちょっとうっとりしてしまう「焼菓子」から一転、「油菓子」です!
目が覚めます。
「油菓子」なんて、そんな光り粘つく名称を初めて知りました。
ギトギト感にドキドキしてしまいます。
で、でも、す、素晴らしい「一般名称」です。
「 本当に食うのか? いいのか? 油の菓子だぞーっ!」
と、あえて注意喚起してくださるという業界のこの矜持、頭が下がります。
あ、勿論、油が100%デブの元であるわけがなく、脂質に加えて糖質も、そして食物繊維だって摂れちゃう「芋けんぴ」は、実はなかなかの栄養食品。
腹持ちが絶対よさそうですし、煮ても揚げても芋は芋。ビタミンやミネラルが豊富です。
こうなったらドリンクでたんぱく質も摂りましょう!
がんばれ、 油菓子ーっ!
きっと買います、「芋けんぴ」。(いまに……)
それにしても「芋けんぴ」は、優良誤認がNGとはいえ、なぜ「油菓子」に身をやつしているのか。
私見ですが、この名称が出現した当時、ダイエットなどという感覚は、少なくとも庶民には、まだないどころかそもそもそれどころではなく、食用の油だって不足気味で、即ち「油菓子」とは「しっかり油も摂れる栄養価の高い菓子」という意味であったのではないか、と思います。
「芋けんぴ」は別に身をやつしていたわけではなく、「油菓子」の筆頭と言える「かりんとう」とともに、エネルギーを産生する三大栄養素の雄「脂肪」をプライドを持って人々に供給してきた!のかもしれません……。定かではありませんが……。
ところで「かりんとう」は、糖も油も豊富ですが、「黒かりんとう」であれば黒砂糖がたっぷり。
ミネラルも摂取できます。
ショッピングサイトで「油菓子」を探すと、まず登場するのが「かりんとう」。
なのですが、お店で袋のチェックをしてみましたところ(←買わないのかっ!)、名称は「油菓子」ではなくて、どの商品を見ても「かりんとう」でした。
有名どころの「かりんとう」は「油菓子」に身をやつす必要が……、いえっ、「かりんとう」は有名どころか超・有名ですしっ!
テーマはなんでしたっけ。
そーでした、「ビスケット」でした !!
(続く)
(今までカロリーしか気にしていなかったのに、このブログを書くにあたりせっせと体を張り、ついに糖も気にせざるを得なくなって、こうなったら糖や脂質の吸収を抑えるサプリが必要か、と悩む 「簡単!栄養 & カロリー計算」スタッフ 「R」)
●簡単!栄養andカロリー計算
https://www.eiyoukeisan.com/
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